「もっと試したい!」が止まらない。作って、試して、また考える、小・中学生向け探究教材「SPARKE」の授業を訪ねて〈PR〉
小・中学生にこそ探究的な授業を提供したい。でも、題材探しや学校外との連携、授業設計まで先生が担うのは簡単ではありません。ましてや高校生向けではなく、小・中学生向けの教材やサービスは見つかりにくいもの。
そんな先生の悩みに答えるべく開発されているのが、小・中学生向けの無償の探究学習ライブラリー「SPARKE」です。SPARKEには、企業の資源や事業活動と教科学習をつなぐテーマが用意され、子どもたちが情報を集め、整理・分析し、表現するといった「探究に必要な力」を育めるよう設計されています。
今回、「先生の学校」編集部は、SPARKEが小学校の現場でどのように使われているのかを取材しました。実際の授業の様子と、子どもたちや先生の声をレポートします!
SPARKEの使用現場を訪問!
こんにちは!「先生の学校」編集部の鈴井です。
今回取材に訪れたのは、神奈川県松田町立松田小学校。この日、4年生の子どもたちが学年全体で取り組んでいたのは、「SPARKE」で提供されているプログラムの一つ、「ものづくりの極意を学び、卓球ラケットを開発してみよう」という授業です。
卓球の「バタフライ」ブランドを展開する株式会社タマスと共同開発されたこの教材では、卓球ラケット開発の実際の工程をもとに、ものづくりにおける考え方や手順を学んでいくとのこと。
私たちが見学したのは、全2コマで構成されるプログラムのうち、実際にラケットを作っていく2コマ目。体育館を会場に、材料による性能の違いを確かめる実験や、ラケットの試作、試し打ち、改良に取り組みます。実験や試作の過程は、専用の「研究開発カルテ」に記録していくそうです。

体育館に入ると、そこには普段の授業ではあまり見かけないものが並んでいました。木の板、段ボール、ゴム、スポンジ……。どれも、この日の授業で子どもたちが使う、卓球ラケットの材料です。授業を受けるのは、小学4年生の2クラス、約80人の子どもたち。主担当の4年2組担任・亀井 裕太(かめい ゆうた)先生から、この日の流れが説明されます。
まずは、材料ごとに球の反発力を確かめる「実験」。次に、その結果をもとにラケットを「試作」。完成したら「試し打ち」をし、必要に応じて「改良」します。さて、どんなラケットが生まれるのでしょうか。

企業のリアルに触れながら自分だけのものづくりをする
この日の授業に先立って行われた1コマ目では、子どもたちは映像教材を視聴しています。映像にはタマスの研究開発担当社員が登場。ラケットの使われ方や作られ方、ものづくりで大切なことを学びました。
そのうえで子どもたちは、「どんな材料ならボールがよく跳ね返るだろう?」と考え、それぞれ家庭から材料を持ち寄っていました。体育館を見渡すと、並んでいるものは実にさまざまです。お菓子の缶のふた、うちわ、小さなまな板など。
「卓球ラケットを作るための材料」と言われても、最初から正解が決められているわけではありません。身近にあるものの中から、「これは使えるかもしれない」と自分で考えて選んできたことが、それぞれの材料から伝わってきます。
実験して、考えて、試作。子どもたちの探究が始まった
いよいよ実験が始まりました。材料の上から卓球のボールを落とし、どこまで跳ね返ったのかを定規で測ります。もう一度落として、また測る。一人がボールを落とし、隣の子が高さを確認する姿もあれば、自分の材料と友達の材料を見比べる姿もあります。

体育館のあちこちで、ボールが跳ねては落ちる音が聞こえてきます。普段から活動している班ごとに取り組んでいるため、「あの材料はどうだった?」「こっちの方が跳ねるかも」と、自然と声を掛け合っています。実際、事前の授業でも、誰かが持ってきたかまぼこの板やCDケースなどを見て、「それなら自分も持ってこよう」とヒントをもらった子がいたそうです。
亀井先生は、「一人で考えるだけではなくて、周りの子からヒントをもらいながら、チームとして考えることもできていたと思います」と振り返っていました。
実験で確かめた結果は、SPARKEのワークシート「研究開発カルテ」に記録していきます。どの材料で何センチ跳ね返ったかを記録し、その結果から、材料の組み合わせや重ねる順番を考えていきます。単に「好きな材料でラケットを作る」という工作とは違います。
実験し、結果を記録し、そこから考え、試作品を作る。実際に使って確かめ、さらに改良する。ものづくりの中にある試行錯誤のプロセスが、授業の流れとして組み込まれています。
実験が終わると、いよいよ試作です。自分で確かめた材料の特徴を頭に入れながら、材料を切り、重ね、テープや接着剤でつなぎ合わせていきます。今回は特別に、段ボールやクッション性のある素材、ゴム製の素材などが用意されていて、子どもたちは自分が持ってきたものと組み合わせながら、思い思いのラケットを作っていきました。

ここから、体育館の空気がさらに熱を帯びていきます。どの材料を使い、何枚、どの順番で重ねるのか。性能だけを追い求める子がいる一方で、スイカの模様を描くなど、見た目にもこだわり、自分だけのラケットにしていく子もいます。
興味深かったのは、約80人が同じ「卓球ラケットを作る」という課題に向き合っていながら、できあがっていくものも、取り組み方も、それぞれ違っていたことです。友達と話しながら作る子。隣のラケットをのぞいてヒントを得る子。一人で黙々と慎重に材料を切っている子。
亀井先生も、そうした姿について「仲間と一緒にやりたい子もいれば、一人でやりたい子もいる。いずれにしても、多くの子がリラックスして集中していたので、あれが多分、自分たちの『やりたい姿』なんだと思います」と話していました。
作って終わりじゃない。試し打ちからさらに改良へ
ラケットが形になった子から、今度は試し打ちです。授業は体育館で行われており、すぐそばに卓球台があります。作ったばかりのラケットを握って、友達や先生を相手に実際にボールを打ってみます。この日は教材を共同開発したタマスの社員の方々も見学に訪れており、社員の方を相手にラリーをする子の姿もありました。
「いい音がする!」
「思っていたより反発が強い!」
「もう一枚何か材料を入れた方がいいかな」
「持つところが少し持ちにくい」
子どもたちに感想を聞いてみると、返ってきたのは、単に「楽しい」という言葉だけではありません。実際に使ってみたからこそ分かる、跳ね返り方や重さ、握り心地といったラケットの性能に目が向いていました。中には、表側には木、裏側にはゴムを使い、「表は強く打ち返しやすく、裏は回転をかけやすい」と、両面に異なる役割を持たせている子もいました。

もちろん、最初から思い通りにいくわけではありません。思ったほどボールが飛ばない。持ってみたら重い。接続部分が弱く、打っている途中に壊れてしまう。だから、それで終わりではありません。「何がうまくいかなかったのか」「では、どこを変えればよいのか」。研究開発カルテに記録しながら、再び材料を足したり、つなぎ直したりする子どもたちがたくさんいました。作る、試す、考える、そしてまた作る。そのサイクルが、体育館のあちこちで繰り返されていました。
気づけば、授業終了の時間が近づいていました。ところが、子どもたちの熱量はなかなか下がりません。締めくくりの話が始まっても、反発力の確認をしている子、研究開発カルテに書き込んでいる子、できあがったラケットをじっと眺めている子がいました。
想像以上に、子どもたちは自分で考えて動いていた
授業終了後、担当の亀井先生にお話を聞くことができました。亀井先生にとっても、この日の子どもたちの姿には想像を超える驚きがあったといいます。

この授業を始める前は、子どもたちが自分で考えたり、工夫したりする姿を、私自身がまだ十分に引き出せていないと感じていました。今回の授業でも、「どうしたらいいの?」と尋ねに来る子が多いのではないかと想像していました。
でも、良い題材や、自分たちで考え、工夫できる余地があれば、子どもたちはこんなにも自分で考え、試し、真剣に取り組むことができるのだと改めて気付きました。
今回の授業を通して、これまで私が十分に見つけられていなかった子どもたちの力に気付けたことは、大きな発見でした。
亀井先生の想像を超えて、子どもたちは自分たちで考え、夢中になって手を動かしていました。亀井先生が、この日の自分自身のテーマとして決めていたのは「黙る」こと。事前に必要なことを伝えたうえで、あとは子どもたちに任せることを意識していたといいます。
では、そもそも亀井先生は、なぜSPARKEを授業に取り入れたのでしょうか。
一番大きかったのは、実際にものづくりの現場で働く人や、トップアスリートの言葉など、“本物”に触れられる機会だと思ったからです。教科書だけではイメージしづらいことも、実際の仕事やものづくりと結びつくことで、子どもたちにとって具体的に捉えやすくなると思いました。
さらに、自分たちも手を動かして作ってみるという経験は、強い記憶や思い出として残り、その後の学校生活への意欲につながることもあります。
また、今回の授業は5年生の社会で学ぶ「わたしたちのくらしと日本の工業生産」にもつながる題材でした。こうした経験をしておけば、5年生で学ぶときにも理解が深まりやすいと思います。
探究をはじめからつくらなくていい。先生が感じたSPARKEの使いやすさ
また、探究学習の準備についても、亀井先生はこんな風に話してくれました。
私が考える探究的な学習とは、「白紙の状態のところから、自分で試行錯誤していくもの」だと考えているのですが、この定義は先生によって少しずつ違うと思いますし、もしかしたらまだ、自分なりの言語化や定義ができていない先生もいらっしゃるのではないでしょうか。
「どうやって進めよう」「何から始めたらいいのか」と悩む先生には、映像やワークシートなどがある程度パッケージ化されたSPARKEは、探究的な学習に取り組む足がかりとして使えると思います。

あわせて、子どもたちのマインドセットの重要性についても話してくれました。
4年生だと学校では卓球にあまり触れていません。ただ聞いてみると「兄が中学の部活に入っている」とか「お父さんが学生時代に優秀な成績を収めている」といった話が上がり、意外に身近な存在だと分かったんです。
私としても、白熱した卓球の試合動画を見せたり、授業以外の時間にも話題に出してみるなど、ところどころで話をしていました。
ですから、具体的な授業準備も大切ですが、より大切なことは、子どもたちにとって「卓球っておもしろそう」「卓球ラケットを作ってみたい」という気持ちを高めていくことでしたし、私はそのことを意識していました。
一方で、今回の実践から見えた課題もあったそうです。4年生の場合、自分で必要な材料を考え、それを家庭で準備することには少し難しさがあったとのこと。
「何でもいい」と言われると、具体的に何を持っていけばよいのか分からない場合がある。ある程度の基本の材料や、例えば、ラケットの持ち手になる部分などがあらかじめ用意されていた方が、実験や試作に集中しやすくなるのではないか、というアイデアも出ていました。
SPARKEには、先生向けの手引書、授業スライド、映像教材、ワークシートなど、授業に必要なものが用意されています。ただ、必ずしもそのまま使う必要はありません。子どもたちの様子、授業時間などに合わせて、必要なところを調整して使うことができます。一定の型がありながら、目の前の子どもたちに合わせられる余白があることも、使いやすさの一つなのかもしれません。
「子どもたちが熱中していた。その姿が全てだと思う」
亀井先生に今日の授業の成果を尋ねるとこんな答えが返ってきました。
「子どもたちが熱中していましたよね。その姿が全てだと思います」
授業後の子どもたちの感想でも、「2時間じゃ足りなかった」「またやりたい」「もともと卓球が好きだったけど、もっと好きになった」「中学校に行ったら卓球部に入ろうかな」といった声が上がっていたそうです。

私たち編集部が取材に入っていても、子どもたちの熱気をすごく感じました。そこには、脇目も振らずに、自分なりに最高のラケットを作ろうと試行錯誤する姿がありました。素材に何を使うかから自分で考える、思った通りなのかを確かめる、作ってみる、使ってみる、思い通りにできなければ、もう一度考えて作り直す。
その隣では、他の子が違う材料、違う方法で、その子なりの「もっと良いもの」を目指しています。ときには友達の工夫からヒントを得ながら、それぞれが自分のラケットに向き合い、授業が終わるその瞬間まで、時間を惜しむように手を動かし続けていました。
その光景こそ、SPARKEを使った授業で最も印象に残ったものでした。SPARKEを使った授業、ぜひ一度、トライしてみてください!
SPARKEの利用申し込みについて
SPARKEの利用対象や申し込み方法など、概要は以下の通りです。子どもたちの「もっとやりたい!」を引き出す授業づくりに、ぜひお役立てください!
◆対象者:全国の小学校・中学校・フリースクールの先生
◆申し込み可能な学年:小学校1年生~中学校3年生
◆費用:無償
◆申し込み:SPARKE公式サイトよりお申し込みください
https://sparke.jp/
◆お問い合わせ先:SPARKE(スパーク)お問い合わせフォーム
https://info.compass-e.com/sparke/contact
SPARKEの詳しい特徴は、「先生の学校」の過去取材記事でも紹介しています。ぜひご一読ください!
https://www.sensei-no-gakkou.com/article/pr0052/
〈取材・文・写真:先生の学校編集部〉