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複業人材を完全無償でマッチング!専門的な知識を持つ人材を「複業クラウド for Academy」で募集してみませんか?

複業人材を完全無償でマッチング!専門的な知識を持つ人材を「複業クラウド for Academy」で募集してみませんか?

学校における働き方改革において、多彩な外部人材との連携・協働の推進が重要視されています。

また、“より良い学校教育を通じてより良い社会を創る”という目標を学校と社会が共有し、「社会に開かれた教育課程」を実現するためにも、外部人材との出会いや継続的な関係性構築は欠かせません。

しかし財源の確保をはじめ、外部人材との接点を持つ難しさなど、課題は山積みです。

そのような中、複業マッチングプラットフォーム「複業クラウド」を運営する株式会社Another worksが、専門的な知識を持つ複業人材と教育機関を無償でマッチングする「複業クラウド for Academy」の提供を開始しました。

すでに、3つの教育機関で導入されており、デザイナーやSNS運用アドバイザー、キャリア講演会アドバイザーとのマッチングを実現しています。

「複業クラウド for Academy」を運営する株式会社Another works代表取締役CEOの大林尚朝さんに、なぜサービスの無償提供を始めたのか、実際に導入されている学校の声について、話を聞きました。

写真:大林 尚朝(おおばやし なおとも)さん
大林 尚朝(おおばやし なおとも)さん
株式会社Another works 代表取締役

大分県大分市出身。2015年に株式会社パソナ パソナキャリアカンパニーに新卒入社し顧問やフリーランスを業務委託で紹介する新規事業に従事。2018年に株式会社ビズリーチのM&A領域の新規事業における創業メンバーとして参画。 2019年に日本初のSaaS型複業マッチングプラットフォーム 「複業クラウド」を立ち上げる。現在、累計800社・36自治体・3つの教育機機関が導入。35,000名のユーザー登録(2022年5月時点)。


複業の社会実装を、教育分野でも本気で目指す

——「複業クラウド」はどのようなサービスなのでしょうか?

複業したい人材と、複業人材を採用したい企業、自治体をつなぐマッチングプラットフォームです。

「複業クラウド」に登録しているユーザーは35,000人を越えました。創業3年で、累計800社、36の自治体に導入いただき、支持されている理由は、「複業クラウド」のビジネスモデルにあると思います。

人を採用する上でネックになるのが「成約手数料」です。採用決定者の年収の数十%にあたる成約手数料を人材紹介企業に支払うのが通常のところ、「複業クラウド」は成約手数料がかかりません。

映像配信サービスNetflixのように月額利用料を支払っていただければ、採用し放題で成約手数料はかからないモデルです。「中間手数料が高い・成約手数料が発生する・いい人材と出会えない」といった悩みを解消しています。


——「複業クラウド」が生まれたきっかけを教えていただけますでしょうか?

私は大分県大分市で生まれ、父親も祖父も起業家という経営者一家で育ったので、いつか私も起業するんだろうという気持ちがありました。

そういった気持ちを持ちながら父親の会社経営に勤しむ姿を見る中で、父親が「人」で苦労しているのを度々目にしました。やはり高いスキルを持った人材は、よほどの理由がない限り、地方では出会うことができません。

人材の教育格差を目の当たりにしたことで、人材に興味を持ち、新卒で人材ビジネスを展開する企業に入社しました。

ちょうど私が入社したタイミングで大企業の副業/複業解禁などの動きもあり、副業/複業フリーランス(企業に常時雇用されながらも、終業後や休日を活用してフリーランスとして活動している人)の領域に携わる中で、人口減少が加速する日本において、副業/複業フリーランスが日本の労働力の柱になることを確信しました。

一人が何社もかけ持って働く、人材をシェアする時代が必ず来る、と。そういった時代背景や、もともと抱いていた課題意識がきっかけとなり、2019年5月に株式会社Another worksを創業し、「複業クラウド」を始めました。


学校での「複業クラウド」月額利用料は、無償で

——新たに提供を開始した「複業クラウド for Academy」は、月額利用料もかからず、完全に無償で提供されているそうですね。

外部環境の変化に伴い、「複業人材を活用したい」という意向が高まり、事業機会が急激に拡大しています。

そのような中で、改めてビジョンや目指したい世界観に立ち返ったときに「複業の社会実装」のスピードを上げていきたいと思い、これまで複業人材の登用が一見難しいと思われてきた領域に、事例を作りたいと考えました。それが自治体です。

すでに36自治体に導入いただいており、さらにスポーツや学校など複業人材の活用という文化がない領域で、複業という概念を注入したいと思うようになりました。

そこで、2022年から「複業クラウド for Academy」の提供を始め、これまでに3つの教育機関で導入いただきました。

企業を経営されている方からすると、無償で提供していて大丈夫か?と思われるかもしれませんが、私は教育現場からはお金を取る必要が今はないと思っています。社会実験として、取り組んでいます。


——実際に「複業クラウド」を導入した教育機関と、どのような複業人材をマッチングしたのでしょうか?

今年の3月に札幌新陽高校さんに導入いただき、学校紹介パンフレットのデザイナー、広報・SNSアドバイザー、在校生向けキャリア講演会アドバイザーの3職種で公募をかけました。

その結果、2週間で100人以上の応募があり、3職種9名の複業アドバイザーとのマッチングを実現しました。

その他にも、北海道大空高等学校さん、福岡女子商業高校さんにも導入いただいておりますが、同じように多くの応募をいただきました。

福岡女子商業高校さんでは、ロゴデザイナーや学校のマスコットキャラクターを生徒と一緒に形作ってくれるデザイナーを募集したりと、活用方法はさまざまです。

学校のニーズに合わせて、例えば学校のDXの知見をお持ちの方やICTに詳しい方を募集されたり、校長先生が組織運営にあたって外部の視点がほしい際の壁打ち相手を募集されるのもいいのではないでしょうか。


——さらに驚いたのが、教育機関や自治体での複業人材募集は、「金銭報酬が発生しない」という留意事項があります。金銭報酬が発生しなくても、教育機関や自治体に自分の時間を使って貢献したいという思いをお持ちの方がたくさんいらっしゃるのですか?

私たちが提唱する複業は、いわゆる副収入だけを目的とした副業ではなく、スキルアップや貢献したいという思いなど、人生を豊かにする複数の目的を持った複業です。

お金のためにやる副業を否定しているわけではなく、ときにはお金を払ってでもやりたいことってあると思うんです。

例えば、私は大分県出身なので、大分県のためならお金を払ってでも関わりたいと思いますし、大好きなスポーツに関われるのであれば、金銭報酬は必要ありません。

そういった金銭報酬だけでない、経験報酬、感情報酬、キャリア報酬という価値に共感いただける方が、金銭報酬が発生しない求人に応募いただいている印象です。


応募者のスクリーニングもサポート

——札幌新陽高校さんを筆頭に、実際に学校現場で導入したことで、現場の先生からはどのような声が挙がっていますか?

生徒たちにとって、「普段は出会うことがない人と出会える」「出会える大人の数が最大化される」という声をいただきました。

また、応募者のスクリーニングを弊社側で対応しており、その点も喜んでいただいたポイントです。お忙しい先生方にとって、多くの応募者の対応や管理は負担になってしまいます。

私たちのような人材のプロフェッショナルの視点が間に入ることは、教育現場にとって大きなメリットだと感じています。


——今後、公立学校でも活用してもらいたいですね。

今後は公立学校を含めて、教育現場にもっと貢献していきたいと思っています。

世の中には「教育を変えたい」という気持ちを持った人がたくさんいますが、なかなか一歩踏み出せずにいる人が多いように思います。「複業クラウド」が、そのハブになりたいと考えています。

また、子どもたちが社会とのつながりを深めるためにも、多様な専門性や経験を持つ大人と関われる機会を設けることは必要不可欠になっていくと思います。

今回、札幌新陽高校さんで「在校生向けキャリア講演会アドバイザー」を募集した際に、多くの方から応募いただき、想像以上の反響でした。

「社会に開かれた教育課程」の実現にあたっても、「複業クラウド」がお力になれるのではないかと思っています。ぜひ、気軽にお問い合わせください。

札幌新陽高校の赤司校長と調印式にて


札幌新陽高校 赤司展子校長からのメッセージ

本校は、「本気で挑戦する人の母校」というスローガン、そしてビジョン2030「人物多様性」を掲げ、生徒と教職員が互いの個性を尊重し協働する学校を目指しています。

生徒が学ぶ場の多様性をさらに広げてくれるのが外部の大人たち。これまでも地域や企業と共に生徒の「出会いと原体験」の機会を作ってきましたが、さらに多様な人材に関わっていただきたいとAnother works様との連携に至りました。

実際に先日のキャリア講演は「複業クラウド」を通した募集のおかげで、学校だけでは招聘できなかった業種や経験の方々から話を聞くことができました。また、広報関係の打合せ等では、プロに任せることで業務全体の質が上がることを実感しています。

他にも、学校の苦手な分野の業務を担っていただくことで教職員が生徒と関わる時間が増えること、そして、学校でも複業文化が醸成されることなどを期待しています。


〈取材・文=三原 菜央/写真=株式会社Another works提供〉