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【第1回】なぜ、コーチングやファシリテーションスキルが注目されているのか?

【第1回】なぜ、コーチングやファシリテーションスキルが注目されているのか?

なぜ今、教育の世界で「コーチング」や「ファシリテーション」が注目されているのか?

伴走者として、学び手に関わる方々が、学び手の主体的・対話的な学びを加速させるために有効なコーチング(的な関わり)や、ファシリテーションスキルを紹介する連載です。

写真:木村 彰宏(きむら あきひろ)
木村 彰宏(きむら あきひろ)
復興支援NPO職員、小学校の教師というキャリアの後、株式会社LITALICOに入社し、現在は教育キャリアアドバイザーとして活動中。また、2020年4月より、コーチングを通じて起業家や経営者をサポートする株式会社コーチェットのトレーナー兼コーチとして活躍中。その他、研修・WS設計、ファシリテーション業務、島根県津和野町幼児教育アドバイザー、キャリア教育、教師支援などさまざまな活動に従事。

はじめまして、木村彰宏と申します。
この度「学びの伴走者〜現場で使えるコーチング&ファシリテーション〜」というテーマで連載をさせていただくことになりました。

この連載では、伴走者として学び手に関わる方々が、学び手の主体的・対話的な学びを加速させるために有効なコーチング(的な関わり)やファシリテーションスキルを紹介させていただきます。

第1回は、なぜ、コーチングやファシリテーションスキルが注目されているのか?
政府での議論も踏まえて、それらのスキルの必要性について考えていきます。 


まずはじめに、私の文脈をご理解いただくために、簡単な自己紹介をさせていただきます。

大学で保育士と幼稚園・小学校の教員の免許を取得した後、東日本大震災の復興支援NPO、小学校の教師、株式会社LITALICOとキャリアを進め、現在もLITALICOでは教育キャリアアドバイザーとして活動しています。

また2020年の4月からは、「すべての人が、互いを生かし、育て合う社会をつくる」をビジョンに掲げ、人を育てるスキルやマインドセットを経営者や起業家などのリーダーに学んでいただく株式会社CoachEd(コーチェット)にてトレーナー兼コーチとして活動しています。 

その他、ワークショップ・研修設計、ファシリテーター業務、小学生から大学生までのキャリア教育、島根県津和野町の幼児教育アドバイザー、教師支援など、教育や人の育ちに関わるさまざまな活動に関わっています。


NPO、教員、民間企業とキャリアを進め、さまざまな立場から多様な目的での場作りを経験したり、向き合いたい方々や向き合いたいコミュニティ・組織に対する関わり方を模索・探究したりする中で、ファシリテーションやコーチングの考え方に出会ってきました。

この連載の中で、そんな私自身も学び続けているコーチングやファシリテーションのエッセンスを、皆さまにお裾分けしていければと思います。


さて、読者の皆さまの中には、「なんとなく聞いたことがあるけれど、結局コーチング、ファシリテーションって何だろう?」という方もいらっしゃるかもしれません。

コーチングやファシリテーションの定義や意味づけは一意的でなく、人や組織によってさまざまな使われ方をされているのが実情です。

例えば、私が現在所属する株式会社CoachEd(コーチェット)においては、コーチングを『コーチとの対話を重ねることで相手がみずから目標達成や課題解決に向かえるように支援を行うこと』と定義しています。

また、ファシリテーションに関しては日本ファシリテーション協会では『人々の活動が容易にできるよう支援し、うまくことが運ぶよう舵取りすること。集団による問題解決、アイデア創造、教育、学習等、あらゆる知識創造活動を支援し促進していく働き』とされていますが、他の団体が異なる解釈や定義を使うことも珍しくありません。

本連載においては、コーチングやファシリテーションの定義や方法論に固執するのではなく、紹介させていただくポイントを参照、実践いただきながら、学びの伴走者として皆さまご自身にとってのコーチングやファシリーテーションの可能性を模索していただければうれしく思います。

コーチングやファシリテーションスキルについて、教育的文脈で捉え直したときに、浮き上がってくる共通する点を一つ挙げるとすれば、ティーチングやコンサルティングのように専門家が答えや知識を与える関わりではなく、伴走者が学び手に問うことや引き出そうと働きかけることを通じて、学び手が自分自身で考えや意見、また答えを見出していくことをサポートする関わりであるということです。 

参考:ジョセフ・オコナー他著「コーチングのすべて」を一部、筆者、加筆修正


教育現場においてコーチング(的関わり)やファシリテーションスキルが期待されていることがうかがい知れる状況を政府が公表している資料からいくつか紹介します。

中央教育審議会初等中等教育分科会教員養成部会の『Society5.0 時代に対応した教員養成を先導する 教員養成フラッグシップ大学の在り方について (最終報告)』(2020年1月)の中では、今後の教師に求められる役割や力の一つとして「多様な意見や学び合いを引き出すコミュニケーション力」が挙げられています。

また、経済産業省が展開する「未来の教室」においては、今後の教師に求められるスキルの一つとして明確に「ファシリテーションスキル」が挙げられています。

「未来の教室」では、変化が激しく未来が見通しにくいこれからの時代に、子どもに求める力を育むための3つの柱として、①「学びのSTEAM化」②「学びの自立化・個別最適化」③「新しい学習基盤づくり」が記されていますが、特に①「学びSTEAM化」の中で求められる探究・プロジェクト型学習(PBL)においては、子どもたちの集団での学びを設計し伴走する教師のファシリテーションスキルは必須となります。

また、各自にとって最適で自立的な学習機会を提供していく②「学びの自立化・個別最適化」においては「自ら目標達成や課題解決に向かえるように支援を行う」コーチング的関わりが求められていると言えます。

社会課題の多様化・複雑化やテクノロジーの急速な進歩による時代の要請として、教育現場の変化は急務であり、コーチングやファシリテーションが注目されていることが伺われます。

この連載がこれからの時代に伴走者として学び手に関わる方々が、学び手のより良い成長・変容を行う際の一助となれば幸いです。

連載内容について何かご質問等ございましたら、Twitter(@1130kimura)のDMにてご連絡くださいませ。