QuizKnockの知恵と哲学から生まれた、“探究の最初の一歩”。遊びと学びをつなぐ新しい探究型学習教材ポータルサイト「探究Knock(ノック)」<PR>
中高の教育現場でも当たり前になった「探究学習」。生徒の主体的な学びを促し、社会との接点を持つ時間である一方で、「進め方が分からない」「生徒の問いをどう評価すればいいか」と悩む先生は少なくない。
数学や英語のように明確な単元や評価基準があるわけではなく、学校や先生ごとに探究の進め方も成果も千差万別。先生と生徒の間、あるいは先生方の間でさえ「探究で何をやるのか」という共通認識が欠けているのが現状ではないだろうか。
そんな“型のない学び”に共通言語を確立すべく開発されたのが、株式会社batonによる教員向け探究型学習教材ポータルサイト「探究Knock」。人気メディア「QuizKnock」の“学びをおもしろがる”ノウハウから生まれた注目のサービスだ。
開発に携わった田村正資さんに、サービスの特長と探究の本質について聞いた。
東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。高校時代、開成高校クイズ研究部リーダーとして伊沢拓司氏と共に第30回高校生クイズ優勝(2010年)。大学では哲学を専門に学び、問いを立てて考える営みを続けてきた。「遊ぶように学ぶ世界」をビジョンに掲げる株式会社batonに参画し、哲学とクイズの視点を生かしながら教育開発事業に携わっている。著書に『問いが世界をつくりだす』(青土社)、『独自性のつくり方』(クロスメディア・パブリッシング)などがある。
探究のやりにくさ、その正体とは?
——2025年8月に、中学・高校の先生に向けた探究型学習教材ポータルサイト「探究Knock」をリリースされました。探究にまつわる先生の課題を解消したいという背景があったそうですが、先生が感じる「探究のやりにくさ」はどこから来ているのでしょうか?
現場の先生方からよく聞くのは、「探究のやり方がこれで合っているのか分からない」「何を教えれば良いのかの基準がない」という声です。探究には、数学や英語のように進度表や正解が用意されていません。さらに言えば、まだ先生と生徒の間に「探究の授業ってこういう感じだよね」という共通言語がないんです。
ある生徒が探究の授業を「好きなことを調べる時間」と捉えている一方で、ある先生は「思考や表現の型を身につける時間」と考えている。そのズレが積み重なることで、「何をする時間なのか」が曖昧になり、モヤモヤにつながっていくのだと思います。
——貴社が考える探究に必要な「共通言語」とは何でしょうか?
探究とは何かを「生徒がどうなったらいいのか」という視点から考えたときに、勉強して点を取って終わるのではなく、教師がいなくなっても学びが続いていくような感性と習慣がその子の中に残ること。それが探究の本質だと解釈しています。
では、そのために生徒の中に何が残っていれば「探究できた」と言えるのか。私たちが重視しているのは、「パースペクティブ(視点)」と「長持ちする問い」という2つの軸です。
パースペクティブとは、自分なりの視点やものの見方のこと。事実は同じでも、それをどう意味づけて受け止めるかは人によって違います。自分の視点を持てれば、教師がいなくても日常で「この出来事とあの出来事を結びつけてみたらどうだろう?」と考えられる。こうした視点の積み重ねが、学びを続けていく土台になります。
——では「長持ちする問い」とはどういうものですか?
例えば「日本一高い山は?」は、調べればすぐに答えが出る問いです。一方、「人はなぜ争うのか?」といった問いは、歴史・心理学・社会制度などさまざまな学びを呼び込み、考え続けることができます。長持ちする問いは新たな問いを生む源泉となって、日々の出来事全てを学びのきっかけに変えていきます。
今の情報社会では、生徒たちは膨大な情報に触れています。それらの情報が生徒自身の中を素通りしてしまうのではなく、それぞれのパースペクティブで色づけされて蓄積されていく。こうした状態に導くのが探究だと考えたときに、探究の共通言語とは何か?それは、
(1)探究的な問いとはどんなものかの認識を共有すること
(2)成果をどう振り返り、次の問いにつなげるかの規格をそろえていくこと
の2つです。授業で「問いを立てる→調べる→考えをまとめる→次の問いへつなげる」というプロセスを提示できれば、探究は「よく分からない時間」から「学びの方法を身につける時間」へと変わる。探究Knockでは、まずこの2つを2コマずつで学べる導入プログラムを用意しています。

「問いのパワーアップ」で良質な問いを育てる練習を
——探究Knockには、QuizKnockで培ったノウハウが生かされていると聞きました。
QuizKnockには、さまざまな問いに挑んできた経験やノウハウがあります。その中から「探究の場で生徒が持つべき問いの形」を言語化して探究Knockの中に詰め込みました。
例えば、導入プログラムでは2種類の問いを対比させます。一つは検索して答えが出れば終わってしまう「クイズ的な問い」、もう一つは複数の領域をつなげ、学びを広げて次の問いを呼び込む「探究的な問い」。どちらが探究にふさわしい問いなのかをみんなで考え、認識を共有していきます。
さらに、自分の中にある問いが漠然としている場合には、それをどうパワーアップすればより良い問いになるのかを、一緒に考える時間も用意しています。
——問いのパワーアップ、ですか。
例えば「生き物って何だろう」という問いは、一見探究的ですが抽象的すぎてあまり良い問いとは言えません。ここで基準にするといいのは、その問いから自分が次にやるべきことをイメージできるかどうか。
だから、先ほどの問いであれば、さらに「人間とコンピュータの違いは?」「その間に位置するものは?」という感じで「パワーアップ」してあげると、共通点や違うところを挙げるために観察したり、比較表をつくったり、文献を探したり…どんな方法で探究していけばいいかイメージが湧いてきますよね。良い問いというのは、すぐには答えが出ないけれども、生徒が「次に何をすればいいか」を想像できる問いなんです。
——探究の問いづくりにも、クイズの経験が役立つのでしょうか?
クイズは、解答者側に立っていると単純な一問一答に見えますが、出題者側に立ってみると実に探究的な要素を備えています。テストと違って、クイズの題材になるのは自分が気になったことやシェアしたい情報です。だからそこには、「これおもしろいよ!」というポジティブな感情がのってくる。
それが認識できると、クラスメイトとのやりとりによっていろいろな知識に色がついていって、世界に起伏が生まれます。こんなのもあるんだ、次はこんなのを調べてみようかな。みんなで情報にあふれた世界に塗り絵をしていくような、こうしたクイズの側面を、探究教材の問いづくりにも取り入れています。

さらに言うと、クイズの問題は相手に伝わりやすく編集しなければなりません。この「問いを編集する感覚」こそ、探究の問いを育てるときに重要なポイントです。
例えば発電会社のJERAと開発したプログラムでは、生徒が環境問題の動画を見た後にクイズを設計します。裏取りや要約、人に伝える編集を通じて、情報リテラシーや表現力が鍛えられます。
知って終わりじゃない。探究Knockは、知ったその先を楽しめる
——探究に取り組む先生にとって頼れる教材になりそうですね。探究Knockは、明日からすぐにでも使えるのでしょうか?
会員登録が必要ですが、すぐに無料でご利用いただけます。
プログラムごとに教員用の授業スライドと生徒用のワークシート、そして授業計画書(ルーブリック付き)や指導案までがセットになっており、ダウンロードすればそのまま授業で使える設計です。「探究の共通言語」になるのは「問いってそもそも何だろう?」と「探究の成果をまとめよう!」という2つのテーマを学ぶそれぞれ2コマのプログラムです。


ここで共通言語をそろえ、その後は多様なテーマの教材に展開できるようにしています。現在は全部で6本のプログラムがあり、今後も企業とコラボした“社会とつながるプログラム”を随時追加していく予定です。そのためにも、まずは先生方に知っていただき、実際に使ってみた感想をお寄せいただけるとうれしく思います。
私たちが大切にしているのは、パースペクティブや長持ちする問い(探究的な問い)へつなげること。知って終わりではなく、知った先で自分なりに解釈し、意味づけできるところまで踏み込めるよう設計しているのが、探究Knockのこだわりです。
探究の共通言語や型を身につけたその先に「どんなテーマを探究するとワクワクできるのか」という具体例を、これからも先生方と一緒に編み出していきたいと考えています。探究Knockが、探究の新しい景色を広げるきっかけになれば幸いです!

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<お問い合わせ先>
株式会社baton
<取材・文:先生の学校編集部/写真:株式会社batonご提供 他>