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合格率1.2%の超難関!ミネルバ大学に通う初の日本人学生・片山晴菜さんに聞く、世界最先端の学びとは!?

合格率1.2%の超難関!ミネルバ大学に通う初の日本人学生・片山晴菜さんに聞く、世界最先端の学びとは!?

アメリカはサンフランシスコで、2014年に開校したミネルバ大学をご存知でしょうか?

「高等教育の再創造」という壮大な構想のもとに設立された唯一無二の大学で、合格率はわずか1.2%の超難関校です。

授業は全てオンライン、学生は4年間で世界7都市(サンフランシスコ、韓国、インド、ドイツ、アルゼンチン、ロンドン、台湾)に滞在しながら寮生活を共にする異色のカリキュラムが注目を集め、ハーバード大学やケンブリッジ大学を辞退してミネルバ大学に通う学生もいるほどの人気大学となっています。

そんなミネルバ大学で、日本人初の学生として世界最先端の学びを受けているのが、大学4年生になった片山晴菜さんです。

彼女は日本の教育システムや入試制度に疑問を持ったことをきっかけに、高校を途中退学してUWC(United World College)アメリカ校に転校し、ミネルバ大学へ進学しました。

日本の高等教育は、時代に適応した質の高い学びを届けられているのか?
そんな疑問を抱きながら、片山さんにミネルバ大学に進学を決めた理由や、ミネルバ大学の教育スタイル、日本の教育に対して思うことを伺いました。

写真:片山 晴菜(かたやま はるな)
片山 晴菜(かたやま はるな)
札幌で生まれ育つも地元の高校を2年次に中退し、経団連奨学生としてUWC-USA(米国ニューメキシコ州)に留学。2017年秋よりミネルバ大学に日本人初の学生として進学、学部4年間で世界7都市を廻る。大学では「人の行動をデザインする」ことをテーマにブランドマネジメントと認知科学を専攻。第1期柳井正財団海外奨学金プログラム奨学生および孫正義育英財団正財団生。


学びと実社会とのつながりが見えない日本の教育

――日本の高校を中退し、UWCアメリカ校に転校するというのは思いきった決断だったと思います。なんでも日本の教育システムや入試制度に対して疑問を持ったからだそうですが、具体的にどんな疑問を抱いていたのでしょうか

高校1年の三者面談で志望大学を聞かれたときのことです。
まだ進学先について考えきれていなかった私は、机の上に置かれていた大学案内と直近の模試の結果を元に、私の偏差値に合った大学名を複数挙げました。

場の空気から、とりあえずそこを志望校にしますと言いましたが、各大学の特色をろくに知らないまま、偏差値を唯一の物差しにして志望校を決めてしまう空気感が、とても心地悪かったんです。

ほとんど一夜漬けの暗記でテストの点数を取っていた私にとって、テストで評価されているものって一体何なんだろう? 知識の定着がなされないままに社会に出るとどうなるんだろう?と疑問がわいてきて、社会とのつながりよりも偏差値を重視しがちな日本の学校教育に違和感を持ちました。


――学力だけで進路が方向づけられる、その進路選択の「当たり前」に疑問を持つことは簡単なことではないと思います

そうですね。母があらゆる場面で「なぜ?」を繰り返してくるような人だったので、自分の意見を持つことが幼少期から自然と育まれていたからかもしれません。

それに加えて私の思考の物差しを広げてくれたのは、年長で入団したガールスカウトと、高1で参加した模擬国連の全国大会でした。

ガールスカウトの活動では、環境破壊や難民問題をはじめ、世界にはさまざまな問題があることを知ったし、模擬国連の全国大会では多岐にわたる活動をしている同世代の学生とたくさん出会い、まさに「井の中の蛙大海を知らず」状態でした。

学校以外のコミュニティに身を置いたことで興味の幅がぐんと広がり、自分の進路を主体的に考えるベースができあがったと思います。


ミネルバの授業は、事前学習に5時間以上を費やす反転授業

――ここからはミネルバ大学について詳しくお聞きしたいのですが、まずはUWC卒業後、ミネルバ大学に進学した理由について伺えますか

大きく2つあります。

1つは、UWCで出会った仲間から刺激を受けて、もっと世界各国に滞在し、現地の文化や社会システムに深く触れたいと思ったこと。

もう1つは、テストを軸にした詰め込み型の教育はもう十分だと思ったことです。

私は、学校での学びが実社会とどうつながるかが知りたくてUWCに転校しましたが、卒業時点でもその感覚がつかめずにいました。

なぜなら、UWCアメリカ校があるのは、標高2000mの砂漠の中。隣町に出るにも車で片道2時間以上かかります。どんなに触発される学びを受けてそれを周りのコミュニティに還元したいと思っても、すぐに試せるような環境ではなかったので、そこに不完全燃焼感があって。


ミネルバ大学では、4年間かけて世界7都市に滞在し、オンラインで授業を受けながら現地の企業や行政機関と協働プロジェクトに取り組めるという実践的なカリキュラムが魅力でした。

講義で学んだことを社会問題にどう応用するかという、WhatではなくHowの部分に重きが置かれているんです。

ここでなら、実社会とのつながりを持ちながら私の求めていた学びを体現できると納得し、ミネルバ大学に進学しました。


――ミネルバ大学での基本的な1日の過ごし方を教えてください

年次や専攻によって授業の取り方に違いはありますが、平均的な1日の過ごし方を紹介すると、午前は1〜2つほど授業を受けます。

午後の使い方は個人によりけりで、取り組んでいるプロジェクトがあればそっちに行くし、ジムや地域のボランティア活動に時間を充てる人もいます。

ただ、ミネルバの授業は全て反転授業形式なので、必ず事前図書と事前課題が出されます。これが結構大変で…。

事前学習の多くは1教科分で2〜3時間、2教科分となると5時間以上かかってしまうので、タイムマネジメント能力が試されます。


――授業の予習に2時間以上かけるとは驚きです。どんな事前課題なのでしょうか

その授業に関連する文献が事前図書として指定されるので、それらを全て読み込みます。

事前課題では、「事前図書の中で明示されたモデルを自分の言葉で1ページ以内にまとめなさい」や「この理論を他の社会課題に応用するとしたら、あなたならどうしますか?」といった課題が出されます。

この事前準備で基礎的な知識を身につけておいて、授業ではその知識を使ってひたすら討論して、学びを定着・応用できる状態に持っていく、というスタイルになっています。


――日本の授業スタイルと比較して、学びの定着度合いは違いますか

全然違いますね。

90分間、ひたすら脳をフル回転させてクラスメイトと討論するので、そのときは、学んだことが身についているのか実感できなかったとしても、後で別の文脈で同じ理論を応用しようとなったときに、自分の中にしっかり定着していることを実感します。

ミネルバではテストや卒論がないかわりに、3年次から「Capstone Project」といって、今までに得た知識とスキルを総動員させて学生自らがプロジェクトを立ち上げるんです。

このプロジェクトによってこれまでの学びがさらに定着し、実社会への実装も試すことができます。


――反転授業の特性がうまく発揮されるカリキュラム構造ですね。他にも、大学1年次には学びの基礎となる“4つの技能”を1年かけて学ぶと伺いました

これもミネルバ特有のカリキュラムで、入学後1年かけて、批判的思考力、創造力、コミュニケーション能力、インタラクション能力の4技能を身につけます

これら4技能はさらに細かく分解され、「HC (Habits of Mind and Foundational Concepts = 思考習慣と基礎概念) 」と呼ばれる、全部で約100項目のスキルに体系化されています。

このHCスキルはおよそ半年ごとに精査されていて、分野横断的に活用できるものかどうか、今の時代に合ったものかどうかという視点で改訂が繰り返されています。


――非常に興味深いです。スキルの評価はどのように行われるのですか

オンライン講義の画面上に、「この授業ではAとBのHCスキルの習得を目指します」ということが表示されるので、学生たちはそれを意識しながら討論をします。

教授は、学生たちの討論や発言内容をもとに、その学生がHCスキルをどの程度応用できているかを、5段階の定量評価とコメントによる定性評価でフィードバックします。

これを各スキル毎にやってくれるので、自分の強み、弱みを客観的かつ具体的に認識することができます。


評価基準も明確で、仮にHCスキルをちゃんと理解できていて、なおかつ応用できていたとしても「4」しかもらえません。
最高評価の「5」を取るためには、そこに新規性や創造性という要素を自分で練り込まないといけない。

評価基準が明確でオープンだと、属人化された評価にならず学生側にも納得感がありますし、教授にとっても整合性が取れた評価が付けられるので、負担軽減につながるのではないかと思います。


授業も、評価も、性善説をもとにした構造化が大切

――教員の役割という意味では、ミネルバ大学と日本の学校とでどんな違いがありますか

ミネルバの教授は、授業中に10分以上話し続けてはいけないルールがあって「講義」ができないので、ファシリテーターとして授業の舵取り役に徹します。

もちろん、教授の個人的なエピソードから学べることも多いので、逸話的な話をしてくれることもありますが、基本的には教えるというより、学生の議論がレールから脱線したときに本線に戻してくれたり、認識の乖離を埋めてくれたりする存在です。


―― 一方的に教えるスキルと、ファシリテーションのスキルは全く異なるものだと思いますが、中にはファシリテーションが苦手な先生もいらっしゃいますか

先生方は学生以上に合格率が低いミネルバの教員採用試験をパスしてきているので、ファシリテーションスキルは高いです。

教授たちが継続してスキルを磨く機会も設けられていて、新任・ベテラン問わず集まって授業のロールプレイングをしたり、同じ学部やコースを教える教授たちが毎週集まって良い事例や相談ごとをシェアする時間があったりします。


――これまでの3年間で、ご自身が成長を感じるのはどんなところでしょうか

1つは、これまでぐちゃっとしていた自分の思考や知識が、HCスキルのフレームを学ぶことで体系化され、かなりクリアになってきたこと。

思考がある程度整理されてくると、他の分野でもあの理論を応用してみよう、と学びのサイクルを回せるようになり、適応性や越境性が身についてきたと思います。

また、各地を転々とする中で、その土地の慣習に従いながら自分を順応させていくスキルと、他者との違いを自分の価値と捉えて、そこを際立たせながら自分の市場価値をあげていくところは、この3年間でとても鍛えられました。


――あらゆる場面で主体性が求められていて、その主体性を育むために、カリキュラムが綿密に設計されていることがよくわかります。子どもたちにより良い学びを届けるために、日本の高等教育はどのようにアップデートしていくのがいいでしょうか

カリキュラムや授業スタイル、評価体制など、あらゆる面での構造化を進めていくことが大事だと考えています。

授業は認知科学や心理学、教育学に基づいた運営体制にするのと同時に、子どもたちが学ぶスキルや基礎概念が、これからの時代に合ったものなのかどうかを定期的にチェックし、アップデートしていく。

この2つの観点を軸にして、構造をつくるといいのかなと。

その際に先生方にお願いしたいことが、性善説に立っていろいろな仕組みを考えてほしい、ということです。

オンライン学習をしていて身をもって感じることは、人間の自己統制能力や認知容量、注意力には限りがあるということです。

生徒が授業の途中で飽きてしまったり、離脱してしまったりすることは当然あります。それを「モチベーションがないから」で終わらせないでほしい。

大人も子どもも関係なく、人それぞれ脳のキャパシティが限られていることを念頭に置いた上で、どうやって子どもたちのモチベーションを持続させてあげられるか、というアプローチで構造づくりに挑んでいただきたいです。

そうすれば、生徒と先生の両者にとって気持ちが良く、やる気が削がれない学びが常態化するのではないでしょうか。



入学希望の方は、
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ミネルバ大学への進学を考えている学生さんがいらっしゃる学校、先生方、また本人や保護者の方で、詳しく話を聞いてみたい方、質問がある方は、ミネルバのアジア アウトリーチマネジャーのVivianへご連絡をお願いいたします。
やり取りは全て英語になりますことを、予めご了承ください。

vzhao*minerva.kgi.edu
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