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【学藝の森CoEのいま vol.1】「不登校=学びたくない」、わけではない

【学藝の森CoEのいま vol.1】「不登校=学びたくない」、わけではない

2025年4月に岐阜県岐阜市に開校した、公立学校に近い経済負担で通えるオルタナティブスクール「学藝の森CoE(こえ)」 。

不登校を経験した小学生と保護者の「今、困っている」を解消するために立ち上げたスクールの「今」をお届けする連載です。

写真:岩田 龍明(いわたつ)
岩田 龍明(いわたつ)
学藝の森CoE スクールディレクター


今回よりスタートする新連載「CoEのいま」。

雑誌HOPE16号で、学藝の森CoEの記事をお届けしたところ、「どんな場所なのか気になる」「もっと様子が知りたい」という声をいただき、HOPEで連載を始めることになりました。4カ月に1度というペースではありますが、学藝の森CoEの取り組みに関心を寄せていただけたらうれしいです。

学藝の森CoEでは入学の際、必ず子どもと保護者の方を、一組ずつ丁寧に面談をしていきます。

この面談は、入学を決めるための面談ではなく、「本当にCoEに通うことがお互いにとっていいことなのか?」「CoEに通うことになったら、スタッフはどのようなサポートをするのがいいのか?」を一緒に見つけるためです。

面談の中で必ず話題に上がるのが「学習のペースが合わない」「みんなと同じペースでやるのが難しい」といった「学習」に関する話です。

CoEでは、学習指導要領の学習時間を参考にしながらカリキュラムを設計してはいますが、2025年4月に開校してしばらくの間は、子どもたちとスタッフ、そして子どもたち同士の関係づくりを大切にすることに決めていました。

2カ月くらい経ってから、「そろそろ学習を始めよう!」と考えて提案したのですが、あまりいい反応が返ってこなかったのです。理由を聞いてみると「学習に対して苦手意識があったり、いいイメージがない」とのことでした。

けれど、その苦手意識を丁寧にほどいていくと、単純に「学ぶことが嫌い」なわけではないということが見えてきます。ひとことで「学習が苦手」と言っても、その中身は一人ひとり全く違っていて…

・やらされている感じが嫌
・一斉授業だとペースが合わない
・学び方や環境が、その子の特性に合っていない
・「分からなさ」にじっくり寄り添ってもらえなくて、勉強についていけなくなった

などなど、理由は本当にさまざまです。ここから言えるのは「学習が苦手=できない」というわけではなく、「自分に合った学びの形にまだ出会っていない」だけなのだと感じます。

CoEには2025年10月現在、小学1〜5年生までのお子さんが通っています。ここからは2人の事例を紹介します。

5年生のAさんは「私は2年生から学校に行けていないから、今は5年生だけど、2年生の学習から取り組みたいなあ」とつぶやいていたことがありました。実際に2学期から、2年生の漢字プリントをイチから順番に1つずつ取り組み始めていたり、家でもかけ算九九の早見表を自分で作ったりと、自分の今の状況に合った学習内容や方法を見つけ出して、取り組んでいます。

またある日、4年生のBさんが「くり上がりのあるたし算」(小学1年生の学習内容に相当)に取り組んでいた日がありました。これまでの様子を見ていると、その子はもう少し上の学年の内容をやってもいいはず…と感じ、私は声を掛けようと思いました。

でもよく見ていると、その子はすごくうれしそうにプリントに取り組み、自分で丸つけをして、元気よく「できた!」と笑顔いっぱいで見せてくれたのです。この子にとっては、「自分で学習に向かって、自分で丸つけをする」という体験が、「自分でできた!」という心の土台を培っていくのに大事なことだったと分かりました。

2人の事例から、スキル的な面でも情緒的な面でも、「学び直し・リカバリー」が大事なのだと教わりました。子どもたちの心の奥にある「本当は学びたい」という声を大切に、これからも安心して学び直せる学び舎でありたいと思います。

岐阜市にある「学藝の森CoE」では、視察を受け付けています。
子どもたちの様子を見ながら、一緒に未来の「きょういく」について語り合いませんか?

https://smilebaton.notion.site/CoE-1c445d9e69cb80e08a1de269690f9467?pvs=74